【初心者向け】ESG投資について

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 みなさん、こんにちは!やんまーです

 菅総理が2021年4月22日の気候サミット(米国主催で)にて温室効果ガス削減目標について2013年度から46%削減するという宣言をして注目を集めました

 近年では、投資界隈でも社会や環境がより良くなっていくように取り組んでいる企業に対して積極的な投資をしていこうという考え方が広まってきています

このような部分に焦点を当てている「ESG投資」について簡単に解説していきたいと思います

この記事でわかること

・ESG投資ってどういうこと?

・なぜ注目されているの?

・個人がやりたい場合はどうすればいいの?

目次

ESG投資とは?

まず、ESGの言葉の意味について見てみましょう

E:Environment(環境)
S:Social(社会)
G:Gavernance(企業統治)

言葉のまま考えると、環境や社会に配慮した企業活動を行なっている企業となります

投資の分野で見てみると

上記を踏まえながら、企業の将来性、持続性を分析・評価した上で、投資先を選別すること

言い換えると

企業の儲けや伸びしろ、お金の使い方だけでなく、それ以外の社会にとっていいことしてるとこも見ていこうよ

という投資の考え方になります

具体的にどんなところをみて投資をするのか?

通常の投資基準となる
企業の業績(売上や利益率等)や財務状況(資産負債額やキャッシュフローなど)といったような財務情報だけでなく

非財務情報の要素をプラスして考えます

具体的に例を挙げてみましょう

非財務情報の要素とは

・環境面
温暖化防止や省エネ化等の環境負荷の軽減
原材料(食料、資源等)の持続可能性、生態系への配慮

・多様性面
外国人社員の雇用、女性社員の幹部登用

・コンプライアンス面
ハラスメントのない働きやすい職場環境の整備

これはほんの一例で、そのほかにもさまざまなことが考えられると思います

 私は、個人的に食品企業に注目しているので、原材料への配慮についてはしっかりとみるようにしています。

例えば、自社の利益を追求するのを優先するがあまり、食資源の継続的な利用ができなくなることについて考慮していないなど(極端なことは上場企業ではほとんどないと思っています)が見受けられる場合には、逆にしっかりとした取り組みをしている企業への投資を考えます。

例えば極端ですがこんな感じ
・生産工場の排出物(廃棄物や排気ガスなど)について削減を考えない
・天然生産物の乱獲(動物、植物)→継続的な資源利用ができなくなる

 逆に、この反対でESGについて真剣に取り組み、そしてその取り組みについて個人投資家にも分かりやすいように情報発信してくれている企業はたくさんあります。その企業がどのような取り組みをしているのかHPやIR情報をチェックしてみるのもひとつかと思います。

ESG投資が行われるようになった背景

 このESGという概念は、2006年に当時の国連事務総長のアナン氏が機関投資家に対し、ESGを投資のプロセスに組み入れるようにと、「責任投資原則」(PRI)を提唱したことがきっかけであるとされています。

PRIとは、下記の通りです

「責任投資原則」(PRI)

1.私たちは投資分析と意志決定のプロセスにESGの課題を組み込みます。

2.私たちは活動的な(株式)所有者になり、(株式の)所有方針と(株式の)所有慣習にESG問題を組み入れます。

3.私たちは、投資対象の主体に対してESGの課題について適切な開示を求めます。

4.私たちは、資産運用業界において本原則が受け入れられ、実行に移されるように働きかけを行います。

5.私たちは、本原則を実行する際の効果を高めるために、協働します。

6.私たちは、本原則の実行に関する活動状況や進捗状況に関して報告します。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

このように示された原則・行動指針に対して、
環境、社会ガバナンス課題と投資の関係性について投資家が理解をして、署名し実施をしています
具体的に数字として

2020年8月時点でPRIに署名をしている機関数
世界で3332機関
日本で85機関

多くの機関が署名をしており、年々増加していてこれからも増えていくとみられています。また、運用資産の残高の合計は103兆ドルと、とても大きい金額になっています(正直、大きすぎて規模感わかりません)

日本でも年金資産を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も署名をしています。また年金は、170兆円以上の年金資産を運用していてこのうち、1%をESG投資に振り向けています

ESGの注目ポイント

ESG投資における注目ポイントを2点ピックアップしてみました

長期リターンの投資とESG投資の目的が合致している

 年金資産の運用する期間(長期間)やファンドなどに適しているといえます。年金は次のような投資原則を設けて資産の運用を行なっています。

GPIFの投資原則
「年金事業の運営の安定に資するよう、専ら被保険者の利益のため、長期的な観点から、年金財政上必要な利回りを最低限のリスクで確保することを目標とする」

引用元:GPIFホームページより

ESGとは目的が一致しているといえますよね。

そもそもESGは、一時的なものではなく、長期で継続していかなければ意味のないものです。

2015年に国際目標「SDGs」が採択されたことで世界の国や企業などが様々な環境問題や社会問題の解決に向けて大きな資金を投資していますし、これからも増えていくと予想されています。(SDGsについては別の記事にて説明したいと思います)

ちなみに年金の運用成績は、

出典:GPIFホームページより

非常に安定しています。リーマンショック時でさえ、プラスで推移するほどの安定感です。

また、ESGの課題に取り組む企業はそうした社会的課題も解決、SDGs関連の需要を取り込むことが可能であり、社会貢献と同時に一定の収益確保も見込むことができます

政府や国際機関の後押しがある 

 先述のPRIをはじめてとして、2021年気候サミットにて

菅総理(日本)
日本の2030年度の温室効果ガス削減目標を「2013年度から46%削減し、さらに50%の高みに向け挑戦を続けていく」と宣言

バイデン大統領(米国)
同国の温室効果ガス排出量を2005年比で50~52%削減する新たな目標を公表

この所信表明は、日本国内のESG投資の重要性についても考えるきっかけとなりました
また、環境省と経済産業省が「サーキュラー・エコノミーに係るサステナブル・ファイナンス促進のための開示・対話ガイダンス」(参照リンク)を公表しました。

これは国内外の投資家や金融機関に対して、サーキュラー・エコノミーやプラスチック資源循環に関する取り組みをする日本企業について対話形式のガイダンスとして説明をしています。

日本企業のESGに関する取り組みを実例を交えて知ってもらおうという情報発信ですね。

このように政府が積極的にESG投資を後押ししていることは、長期投資家にとって投資の判断をする際の一助となるのではないでしょうか。

ESG投資におけるリスク

ここまでなんだかメリットばかりじゃないかと言われるような記述をしてきました。

しかし、当然ですが投資に100%というのはありません。

やはりリスクについても考えなければいけません。

例えば、次のようなリスクが挙げらると思います。

・ESGに積極的というだけで、株価が実態以上に高騰しているリスク
・投資額に対するリターンが小さくなるというリスク
・そもそも実際の実績や成長性に対するリスク

「ESGに取り組む企業だからきっと安心だろう」といって実際の事業について精査をしないまま購入するのはリスクがあります。

ESGに積極的であること=利益が必ず増えるということではありません。

実態以上に株価が高騰している場合には、業績の下振れが株価の下落につながるリスクもあります。

ESG投資においても、しっかりと該当している企業や投資信託について分析を行った上での判断は必要となってきます

ESG投資の始め方は?

おおきく分けて2パターンあります

ESGに関連した投資信託を購入する 

 現在では、ESGに関連した投資信託も増えてきています。その運用会社各社が自社のwebサイトでESGへの取り組み内容を発信しているので 気になる投資信託が見つかった場合には運用会社のWebサイトを確認してみるのもいいと思います。

下記は、ESGに関連する投資信託の例です

投資信託委託会社投資先
ニッセイ日本株ESGフォーカスファンドニッセイアセットマネジメント国内株式/日本
野村-野村インデックスファンド先進国ESG株式野村アセットマネジメント国際株式/グローバル
HSBC-HSBC ESG米国株式インデックスファンドHSBC投信国際株式/北米

これはほんの一部で様々な投資信託が販売されています 

また、どのような基準で運用していくのかということに対して下記のように記載されています

(出典:ニッセイ日本株ESGフォーカスファンド目論見書2021年2月より)

ESGに積極的な企業の株を購入する 

これは自分で投資銘柄を探してみるということになりますが
いきなり何にもない状態で企業を探して分析するというのも難しいかと思いますで、おススメしたい方法あります

ESGに関連する投資信託の目論見書を確認してみて

どのような企業が投資信託に組み入れられているのか見てみるという方法です

一例ですが、ファンドの目論見書の中に組み入れ上位銘柄の説明部分があります↓

(出典:ニッセイ日本株ESGフォーカスファンド目論見書2021年2月より)

私は、この中にある食品関連銘柄のキッコーマンについて興味があるので調べてみる

といった具合に目星をつけて企業分析を行なったりしていました

まとめ

 ここまでお話ししたことを簡潔にまとめます

まとめ

・ESG投資は、非財務情報に着目した社会や環境に配慮した投資

・国際機関や政府の後押しがあり、これからも増えていくことが予想される

・投資信託や個別株投資で個人が行うこともできる

  もちろんきちんとした財務分析は必要になってきますが、長期投資家にはおすすめの投資観点かと思います。

投資に限らず、こうした社会がより良くなっていくための考え方は必要なことだと思います。

個人ができることは多くはないかもしれませんが、何か一つでも自身の行動が未来につながるものになればいいなあ、と私は思います。

 

最後に、ここまで読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m

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