【銘柄分析】2923 サトウ食品

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みなさん、こんにちは!やんまーです

本日は、サトウのごはんやサトウの切り餅で有名な「サトウ食品」について直近の2021年6月14日の決算発表を踏まえ銘柄分析していきたいと思います

それではよろしくお願いします

この記事の内容

・企業情報

・株価指標、株主優待

・業績の推移

・キャッシュフローの推移

・サトウ食品の取り組み、注目ポイント

目次

企業情報

1950年4月創業、1961年4月15日設立で

新潟県新潟市に本社を置く、東証2部上場、「包装米飯」「包装もち」の国内トップメーカーです。

主力商品は、「サトウのごはん」、「サトウの切り餅」

CMも印象的なものが多く、ご存知の方がほとんどかと思います。

サトウ食品は、餅業界で初めて、餅を一切れ一切れ無菌化包装する技術を開発し、「サトウの切り餅つきたてシングルパック」として発売を開始しました。餅業界のパイオニア的存在ですね。

サトウの切り餅スティックタイプなど簡便性に加えて、様々な調理に用いることができる汎用性のある商品を開発したり、食べ方提案で積極的な拡販をしています。

企業のモットーは「おいしさの追求

株価指標、株主優待について

まず、株価指標について確認していきましょう。

株価指標数値
株価4,885円
時価総額246億円
PER・予16.55%
PBR1.7倍
ROE10.0%
ROA4.7%
自己資本比率46.8%
配当金前期44円(今期は未定)
配当利回り0.9%
配当性向14.9%
2021年6月18日終値

ROE、ROAはコロナ禍での巣ごもり需要もあり、良い数字になっていますね。PBR、PER共に特段の割高感というのはないように思います。配当利回りは低めになっているので、配当金目的の投資には向いていないでしょう。中長期で成長していく事業内容かどうかを判断して投資していくことになるかと思います。

特に、今期は巣ごもり需要の特需があったため、来期以降の業績に注目しながら投資を検討したい銘柄です。

【株主優待】

権利確定月:10月 (次回は、2021年10月27日)

優待内容:自社商品詰合わせ(餅・米飯)
    100株以上:1,000円相当
    500株以上:2,000円相当
  1,000株以上:3,000円相当
  3,000株以上:5,000円相当
  5,000株以上:7,000円相当

となっています。100株(約49万円)で1,000円相当となっていますので、株主優待をメインで考えるとあまりお得感があるとはいえないかもです

株価チャート・業績推移・キャッシュフロー推移について

長期(10年)株価チャートについて

長期の株価チャートについて見ていきます

(出典元:SBI証券)

 長期で右肩上がりの推移をしています。株価の推移については、業績への評価として理想的な形だと思います。

業績推移

続いて業績の推移について見てみましょう。

(出典元:SBI証券)

売上、利益ともに安定しているといえますね。売上は右肩上がり、利益については波がありますがしっかり利益を獲得できていることがわかります。昨年は、コロナ禍での巣篭もり需要もあり、大幅な利益アップとなっています。

 また、利益アップの要因として、新設した米飯の工場が本格稼働をしたことも利益率を押し上げる要因となっています。加えて、生産量の増加による製造原価の低減等の影響もあったものと見ています。

 サトウ食品では、各事業毎ではなく食品を一つのセグメントとして捉えています。決算短信で言及のあった部分について事業別に売上の伸びをまとめました。

事業売上高前期比備考
包装米飯事業253億97百万円8.0%増加10期連続増加
包装餅事業215億27百万円0.8%増加3期連続増加
(決算短信より作成)

特に包装米飯事業では、継続した売り上げアップを達成できています。

次に今季の売上及び利益について決算短信から下記の通り一部ピックアップします。

(引用元:2021年4月期会社決算短信より)

営業利益約103%アップ!!!

すごいですね。新工場の影響も大きいはずなので、今後の受注量の推移には注目ですね。売れれば売れるほど利益の上乗せができる生産体制になっていると思います。

キャッシュフロー推移

キャッシュフローの推移について見てみます。

(出典元:SBI証券)

 営業CFは2015年を境に安定したプラスで推移をしています。投資キャッシュフローが大きくなっていますが工場の新設など大きい固定資産の取得や設備投資によるもので、今季の業績から利益率を考えると良い投資になっていると考えられます。キャッシュフローの推移からは今後の業績拡大を期待できると考えています。

サトウ食品の取り組み、注目ポイント

取り組みや注目ポイントについて、3点取り上げたいと思います。

① 包装米飯の生産数量の推移について

② 「らくらくパッケージ」(SRP対応段ボール)採用

③ 賞味期限の延長

① 包装米飯の生産数量の推移について

包装米飯の生産数量について農林水産省公表の資料より簡単にまとめました。数量は、レトルト米飯と無菌包装米飯の合算数値となっています。

農林水産省「食品産業動態調査」を参考に筆者作成

 年々、一人世帯の増加や利便性・簡便性の求められてきていることもあり、消費者ニーズに合わせた形で生産数量も増加傾向にあることがわかります。

「レトルト米飯」
調理されたご飯を、空気が入らない密閉容器に入れたものです。高温加熱殺菌したもので、おかゆ・雑炊・炊き込みご飯などがあります。

「無菌包装米飯」
無菌設備を使用し、炊きたてのご飯を密閉容器に入れたものです。レトルト米飯との違いは熱を加えずに包装することで、味がよく普通の炊きたてご飯と変わらない味を実現しています。サトウのご飯はこれです。

レトルト米飯と無菌包装米飯の割合は、令和2年データで

おおよそ「レトルト米飯:無菌包装米飯=1:9」となっています。ほとんど無菌包装米飯が占めます。

無菌包装米飯のトップシェアである「サトウのごはん」は、今後もニーズの拡大が予想されますね。

② 「らくらくパッケージ」(SRP対応段ボール)採用

 サトウ食品では、「らくらくパッケージ」(SRP対応段ボール)を販売店への提案として取り入れています。

「SRP」とは?
これは、シェルフレディパッケージング(Shelf Ready Packaging)の略称であり、ハサミやカッターなどの道具を使わず、人の手で簡単に開封することができ、そのまま商品をお店に陳列することができるパッケージのことをいいます。

例えばこんな感じ

(出典元:株式会社クラウン・パッケージHPより)

 商品を輸送する際に使用する箱をそのまま陳列する箱として利用することができるため、販売をする小売店などでは、陳列するための手間を省くことができます。

陳列にかかる時間を減らし、さらに新たな陳列箱を用意するための手間も削減できるため、販売店に積極的に採用されるようになってきています。

販売店では、作業の負担が減り、パッケージ自体にメーカーがデザインを施すことで、売り場の華やかさを演出できます。まさに一石二鳥ですね

さまざまな食品メーカーで採用されるようになってきていますので、もしスーパーなどにお買い物に行かれた際には、注意して見てみてください。普段の買い物に意外なところの工夫や戦略が垣間見えるような感じで楽しいかもです。

③ 賞味期限の延長

 サトウ食品では、2020年8月1日より「サトウのごはん」ブランドの賞味期限を10ヶ月から1年へ品質検査を経て延長しました。

賞味期限の表記を年月日から年月のみの表記とし、食品ロスの削減に取り組んでいます。食品ロスが社会問題となっている昨今では、非常に環境にも優しい良い取り組みだと思います。

 また、賞味期限の延長は販路拡大にもつながります。海外展開を考えたときに、海外への輸出では、賞味期限1年以上という条件は非常に好まれます。輸送に時間のかかることやロス率の低下につながるためです。品質の面からも是非ともジャパンブランドの簡便性・利便性を追求した商品を海外へも届けて欲しいですね。 

まとめ

それでは、ここまでの内容を簡潔にまとめていきたいと思います。

まとめ

サトウ食品は

・売上、利益率ともに過去最高を更新

・長期チャートも右肩上がりで成長中

・巣ごもり需要一服の来期に注目

・包装米飯事業の市場は、年々増加傾向にある

 順調な業績だといえる銘柄かと思います。巣ごもり需要が一服した来期にどのような業績を残せるか注目ですね。個人的には、非常に将来性のあるいい銘柄だと思います。

 本記事は、個別の株銘柄についての内容ですが、個別銘柄への投資を推奨するものではありません。投資についてはご自身でご判断くださいますようお願いいたします。

この記事で一番お伝えしたいこと

「サトウのごはん・サトウの切り餅」は美味い!!!

最後に、ここまで読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m

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